【長編版】天才幼女セラフィーヌ、ツンデレ辺境伯様とただいま領地改革中!
「あ!この間にエリクとエリザの離乳食も一緒に作っちゃおう!」
同時に離乳食も作れば効率的だ。離乳食なんて作った経験はもちろんないけれど、マルタの話だととにかく柔らかくして潰してペースト状にすれば簡単にできそうだった。
私は、マルタがあらかじめ用意しておいてくれたカボチャを木の器へ移す。
「えっと、これをすりつぶして柔らかくすればいいのかな?」
私は小さなすりこぎを両手で持って体重をかけた。
「んんんん……!」
下ゆで済みのカボチャは柔らかいはずなのに、五歳児の腕では思ったように潰れない。何度も押しつけては潰してを繰り返すけれど、すぐに疲れてきてしまう。
(料理ってけっこう体力使うのね……)
ようやく大きな固まりがなくなってきた頃、スプーンでひとさじすくって味見をしてみる。
「……ちょっと固すぎる?」
かなりぽってりとしていて食べにくい。私は水を入れてかき混ぜてみる。すると今度はさらっとなりすぎてしまった。
「えっ、今度はゆるすぎる!?」
(離乳食の固さって、どのくらいが正解なの!?)
とりあえずもう一度味見をしてみるけれど、あんまり味がしない。水で薄めすぎたせいだろうか。塩を足したくなるけれど、赤ちゃんに大人と同じ味つけをしてはいけないと聞いたことがある気がする。
(甘みを出すならニンジンとか混ぜてみる?でも、カボチャとニンジンを混ぜて美味しいのかな……)
塩壺持って入れるべきか入れないべきか悩んでいると、ふいに甘い香りの中に焦げた臭いが鼻をついた。
「……ん?」
振り返ると、りんごジャムを作っていた鍋が煮詰まり、鍋の底からうっすらと茶色い煙が上がっていた。
「わあああああっ!?」
「セラお嬢様!?」
大きな声と足音が響いて、マルタがキッチンに飛び込んできた。
「どうされたんですか!?」
「ジャムが、ジャムがたいへんなの!!」
マルタはすぐに鍋を火から下ろして木べらで鍋の中を確かめる。幸い完全には焦げていなくて、全部が台無しにならずに済んでほっとする。上の方は食べられそうだ。
「……もう少し遅ければ、すべて焦げていたところでございましたね」
鍋底に触れないように上の部分だけを別の器へ移してから、私はスプーンにジャムを取ってひとくち食べてみる。なんだか皮の繊維質な食感が残っていて舌触りがよくない。それにやっぱり煮詰まりすぎたのか甘すぎる。同じように味見をしたマルタも難しい顔をしていた。
私は気を取り直し、カボチャのペーストが入った器を持ち上げた。
「みて、エリクとエリザのごはんも作ったよ!」
マルタが器の中を覗き込む。
「これは……カボチャのペーストですか?」
「うん。かたさをちょうせいしてたら、ちょっとお水入れすぎちゃったみたいで」
「左様でございますか……」
同時に離乳食も作れば効率的だ。離乳食なんて作った経験はもちろんないけれど、マルタの話だととにかく柔らかくして潰してペースト状にすれば簡単にできそうだった。
私は、マルタがあらかじめ用意しておいてくれたカボチャを木の器へ移す。
「えっと、これをすりつぶして柔らかくすればいいのかな?」
私は小さなすりこぎを両手で持って体重をかけた。
「んんんん……!」
下ゆで済みのカボチャは柔らかいはずなのに、五歳児の腕では思ったように潰れない。何度も押しつけては潰してを繰り返すけれど、すぐに疲れてきてしまう。
(料理ってけっこう体力使うのね……)
ようやく大きな固まりがなくなってきた頃、スプーンでひとさじすくって味見をしてみる。
「……ちょっと固すぎる?」
かなりぽってりとしていて食べにくい。私は水を入れてかき混ぜてみる。すると今度はさらっとなりすぎてしまった。
「えっ、今度はゆるすぎる!?」
(離乳食の固さって、どのくらいが正解なの!?)
とりあえずもう一度味見をしてみるけれど、あんまり味がしない。水で薄めすぎたせいだろうか。塩を足したくなるけれど、赤ちゃんに大人と同じ味つけをしてはいけないと聞いたことがある気がする。
(甘みを出すならニンジンとか混ぜてみる?でも、カボチャとニンジンを混ぜて美味しいのかな……)
塩壺持って入れるべきか入れないべきか悩んでいると、ふいに甘い香りの中に焦げた臭いが鼻をついた。
「……ん?」
振り返ると、りんごジャムを作っていた鍋が煮詰まり、鍋の底からうっすらと茶色い煙が上がっていた。
「わあああああっ!?」
「セラお嬢様!?」
大きな声と足音が響いて、マルタがキッチンに飛び込んできた。
「どうされたんですか!?」
「ジャムが、ジャムがたいへんなの!!」
マルタはすぐに鍋を火から下ろして木べらで鍋の中を確かめる。幸い完全には焦げていなくて、全部が台無しにならずに済んでほっとする。上の方は食べられそうだ。
「……もう少し遅ければ、すべて焦げていたところでございましたね」
鍋底に触れないように上の部分だけを別の器へ移してから、私はスプーンにジャムを取ってひとくち食べてみる。なんだか皮の繊維質な食感が残っていて舌触りがよくない。それにやっぱり煮詰まりすぎたのか甘すぎる。同じように味見をしたマルタも難しい顔をしていた。
私は気を取り直し、カボチャのペーストが入った器を持ち上げた。
「みて、エリクとエリザのごはんも作ったよ!」
マルタが器の中を覗き込む。
「これは……カボチャのペーストですか?」
「うん。かたさをちょうせいしてたら、ちょっとお水入れすぎちゃったみたいで」
「左様でございますか……」