死なないで
さらりと潮風が私の髪を撫でた。

「それから、施設に行ったんだ。父が自分達をおいて、出ていったって嘘ついて。でも、僕は高校に上がる時に、全寮制の高校を選んで施設を出た。そのあとなんだ。海汰が居なくなったのは。だから、海汰が居なくなったのは僕のせいでもあるんだよ。僕が海汰を置いていったから」

要は静かに海を見つめていた。

「海汰の漢字ね、お母さんがつけたんだよ。お母さん、海が好きだったから。だからかな、海汰も海が好きだったんだ」

今、要は何を考えているのだろう。

そっと要を抱きしめた。

「海汰くんを、探そうよ。絶対に2人は一緒にいるべきだよ」

そして、そっと離してもう一度、要の隣に腰掛けた。
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