死なないで
要に会いたい。

要の家につきインターフォンを鳴らした。

要は出てこなかった。

どこかへ行ってしまったのだろうか。

あの光景が浮かんできて勢いよくドアを開けようとした。

ドアには鍵はかかっていなかった。

そして中に要はいなかった。

「紗夜!」

背後から声をかけられた。

汗だくで息を切らした要が立っていた。

「要!」

要が私に駆け寄ってぎゅっと抱きしめてくれた。

要に手を引かれながら要の家の中に入った。

「 水飲む?」

「うん!ちょうだい」

なるべく明るい声を心がけた。

水が入ったコップを机の上に置き、要は私の向かいに座った。

貰ったお水を喉に流し込んだ。

走って来たせいか無性に喉が渇いていた。

あっという間に水はなくなってしまった。

「海汰にああ言ったのは、本当だよ」

もう取り乱したりしない。私はただ頷いた。

「でも理由があったんだ。その…」

要は震えているようだった。

「話さなくてもいいよ。要の好きにしていいよ」

震えている要の手に自分の手をかさねて要の顔を見つめた。

すっーと涙が要の頬を流れた。

要の悲しみも苦しみも涙と一緒に流れてしまえばいいと思った。

「愛してる。要」

そっと要を抱きしめた。

何度も要の髪を撫でた。

愛って厄介だね。

1度愛したら、何があったってその人のために生きてしまうのだから。

抱き合ってそのまま眠った。
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