死なないで
「あのね、要」

要が口を塞いでいた私の手をそっと握った。

何故か無性に頭が痛んだ。

要がそっと私の顔を両手で挟んだ。

「紗夜。大丈夫?」

頭の中に、要が死んだあの日の朝のニュースが浮かんできた。

『4名を殺害し、3名に重傷を負わせた松村海汰被告の死刑が本日行われます。』

あぁ、そうだった。

過去に戻った衝撃と要に会えた喜びで忘れてしまっていた。

要が死んだ後の1週間を。
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