忘れないまま恋をした
三年の終わり。

就活の話が現実になる。

「卒業したらさ」

直哉が言いかけて、やめる。

未来の話は、まだ怖い。

でも――

初めて思った。

もし、この人が隣にいたら。

その想像が、

痛みより少しだけ、温かい。

颯斗は消えない。

でも、直哉も消えない。

両方抱えて、生きていく。

それがやっと、

“逃げ”じゃなくなった。
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