忘れないまま恋をした
9
新たな春

満員電車。

押し込まれるみたいに車内に入る。

スーツもヒールも、まだ慣れない。

スマホが震える。

直哉から。

「起きてる?」

たったそれだけ。

それだけで、少し肩の力が抜けた。

「今電車」

送るとすぐ返信が来る。

「今日もがんばれ」

深呼吸した。

よし。

今日も行こう。
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