忘れないまま恋をした
ただ、

事実みたいに。

「それってさ」

少し間があった。

「俺、

一生二番なのかなって」

言葉が出ない。

そんなふうに思ってたなんて。

知らなかった。

「…ごめん」

小さく言うと、

直哉はすぐ首を振る。

「謝るな」

「違うんだ」

苦しそうに笑う。

「わかってるんだよ」

「柚は悪くない」

「俺が勝手に好きでいるだけ」

沈黙。

時計の音だけが聞こえる。
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