忘れないまま恋をした
一足先に報告する。

墓地は静かだった。

風がゆっくり吹く。

線香の煙がまっすぐ空に伸びていく。

私は手を合わせた。

心の中で、

いつもの言葉。

「久しぶり」

少しだけ笑う。

泣かない日も、

増えてきた。

横を見ると、

直哉も手を合わせていた。

深く頭を下げている。

その姿を見て、

胸があたたかくなる。
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