忘れないまま恋をした

帰り際、義母が私を呼び止めた。

「柚ちゃん」

振り向いた瞬間、抱きしめられた。

あったかい。

昔から変わらない匂い。

「よかった」

その声が震えていた。

「きっと颯斗もね、安心してると思うわ」

涙が溢れそうになる。

「ずっと心配だったのよ」

背中をさすられながら、続く。

「あなたが、ひとりで立ち止まったままなんじゃないかって」

私は何も言えない。

「柚ちゃんは、これからもずっと私の娘よ」

一瞬、言葉に詰まる。
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