忘れないまま恋をした


テーブルに参考書を広げて、
隣同士で問題を解く。

わからないところを聞くと、
颯斗は当たり前みたいに教えてくれる。

「ここ違う」

「え?」

「ほら」

ノートを指さす指が近い。

たまに肩が触れる。

それだけで、心臓がうるさくなる。

「集中しろ」

颯斗が言う。

「してるし」

そんなやり取りを繰り返しながら、
春が過ぎていった。

気づけば、もう夏。
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