忘れないまま恋をした
キッチンでお湯を沸かす。

ポットの音が静かな部屋に響く。

いつもの夜。

いつもの空気。

なのに、

今日は少しだけ違う気がした。

マグカップを二つ持って戻る。

直哉が私を見る。

「柚」

「ん?」

「よかったな」

短い言葉。
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