忘れないまま恋をした
「はい」

コップを渡される。

「ありがと」

一口飲む。

「なんか」

私は少し笑う。

「不思議」

「何が」

私は少しだけ笑った。

それからも、

特別なことは何もなかった。

朝起きて、

「おはよ」

とだけ言う。

直哉はコーヒーを淹れる。

私は寝ぼけたままパンを焼く。

そんな朝。
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