忘れないまま恋をした
「柚、勉強してる?」
颯斗が急に聞いてきた。
「してるよ、一応」
「一応ってなんだよ」
そう言って笑う。
「この大学さ、結構難しいぞ」
私は少しムッとする。
「わかってるよ」
「でも柚ならいける」
さらっと言う。
「一緒にキャンパス歩くんだろ?」
その言葉で胸が少し熱くなる。
未来の約束。
当たり前みたいに交わされた約束。
「落ちたら笑うからな」
「絶対受かるし」
言い返すと、颯斗は嬉しそうに笑った。
あの時はまだ、
未来がこんなにも簡単に壊れるなんて
思ってもいなかった。