忘れないまま恋をした
「なぁ、もう来なくていいよ」

病室で、颯斗がぽつりと言った。

「え?」

「柚にこんな姿見せて、悲しい思いさせたくない」

目を逸らしたまま続ける。

「ずっと隣にいることだって、できないし」

その瞬間、

胸の奥が

ぐしゃっと潰れたみたいになった

「みんな言わないけどさ、わかってる。俺、治らないんでしょ?」

「何でそんなこと言うの」

「諦めないでよ、嫌だから」

涙が溢れて、私はそのまま病室を飛び出した。
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