忘れないまま恋をした
廊下で颯斗のお父さんと目が合う。

「柚ちゃん、いつもありがとうな」

優しい声。

「でもな、あれが颯斗なりの愛し方なんだよ。男ってのはさ、好きな子に弱いとこ見せたくないもんなんだ」

少し笑って、続ける。

「でも、柚ちゃんがいいなら隣にいてやってくれ。辛いなら無理しなくていい。覚悟はいるけどな」

覚悟。

その言葉が重くのしかかった。

私は1週間、病院に行けなかった。

怖かった。
未来を見るのが。

でも、このまま離れる方が、もっと怖いと気づいた。
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