忘れないまま恋をした
一年経っても。

私はまだ、隣を探している。

改札で。
講義室で。
コンビニのレジで。

わかっている。

もう戻らないって。
ここにはいないって。

それでも。

夜になると、感情が暴れる。

「なんで置いてったの」

枕に顔を埋めて、声を押し殺す。

約束したのに。

ずっと隣にいるって。

私は守っているのに。
約束を、ひとりで守っているのに。

悲しみは薄れない。

ただ、形を変えて
静かに胸の奥に沈んでいくだけ。
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