忘れないまま恋をした
大学のキャンパスに、柔らかな風が吹く。

あの約束を思い出す。

“いつか一緒に大学歩こうな”

私は立ち止まる。

涙は、まだ出る。

でも、前みたいに崩れない。

歩ける。

隣にはいない。

でも、胸の奥にはいる。

消えない。

消したくない。

悲しみは消えなくていい。

それごと抱えて、生きていく。

それが、私の選んだ道。

そしてきっと、

私が歩いているこの春を、

どこかで見ていると、
まだ少しだけ信じている。
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