営業部の穂積先輩は今日も不機嫌で困る
「一度くらい、わたしに確認しようとは思わなかったんですか?」
「……ごめん」
「普通は、そういうときって彼女の味方をするものじゃないの?」
矢田さんは、驚いた顔でわたしを見つめてから、苦痛に耐えるような表情をした。
「ごめん。本当に悪かった。でも、俺が間違ってたってやっと理解したんだ。浦沢と美月は仕事ぶりが全然違うし……」
なぜか、その言葉に強い嫌悪感が湧いて、思わず言い返した。
「そんなこと今更言われても、困ります」
「……本当にごめん。……せめて今からでも償わせてくれないか?」
呆れ過ぎて口も開けなくなりそうな、そのときだった。
「鮎川」
低い声が割って入る。振り返ると、穂積先輩が不機嫌そうな顔で立っていた。
「悪いが、今から第五会議室で緊急会議が入った。出られそうか?」
「あ、はい! 行きます!」
「美月、まだ話は……」
矢田さんに手を伸ばされそうになり、咄嗟に距離を取った。
「わたしには、ないです。無理だよ今更」
「そんな……」
「あなたの罪悪感の穴埋めに、わたしを使おうとしないで」
それだけ言い切って踵を返し、そのまま穂積先輩の後ろを追いかけた。
いつもの先輩よりも、少し歩く歩調が遅いのか、割とすぐに追いついた。しばらく無言のまま廊下を歩く。
「……あの、緊急会議ってなんですか?」
「行けばわかる」
先輩は、それだけ言うと黙り込み、さっきの場面については何も聞いてこなかった。
それが、逆にありがたかった。
「……ごめん」
「普通は、そういうときって彼女の味方をするものじゃないの?」
矢田さんは、驚いた顔でわたしを見つめてから、苦痛に耐えるような表情をした。
「ごめん。本当に悪かった。でも、俺が間違ってたってやっと理解したんだ。浦沢と美月は仕事ぶりが全然違うし……」
なぜか、その言葉に強い嫌悪感が湧いて、思わず言い返した。
「そんなこと今更言われても、困ります」
「……本当にごめん。……せめて今からでも償わせてくれないか?」
呆れ過ぎて口も開けなくなりそうな、そのときだった。
「鮎川」
低い声が割って入る。振り返ると、穂積先輩が不機嫌そうな顔で立っていた。
「悪いが、今から第五会議室で緊急会議が入った。出られそうか?」
「あ、はい! 行きます!」
「美月、まだ話は……」
矢田さんに手を伸ばされそうになり、咄嗟に距離を取った。
「わたしには、ないです。無理だよ今更」
「そんな……」
「あなたの罪悪感の穴埋めに、わたしを使おうとしないで」
それだけ言い切って踵を返し、そのまま穂積先輩の後ろを追いかけた。
いつもの先輩よりも、少し歩く歩調が遅いのか、割とすぐに追いついた。しばらく無言のまま廊下を歩く。
「……あの、緊急会議ってなんですか?」
「行けばわかる」
先輩は、それだけ言うと黙り込み、さっきの場面については何も聞いてこなかった。
それが、逆にありがたかった。