冤罪で聖印を奪われた令嬢、辺境で本物の大聖女になる ~傲慢令嬢ヒストリアの救済証明~
―――どの神殿にも秘密の地下通路は存在するが、その通路に関しては当該地区の神殿の人間でなければ知らないものだ。しかしスレイは部外者であるにも関わらず知っていた。

そこで、ベリルとゼノ、スレイを伴いレナードに潜入させたのだ。

元神殿の重騎士だったというゼノは、聖女の廃棄に関してつい最近まで知らなかったというが、破棄制度を知り不審な点が確信に変わったと言っていた。

「心当たりはあります。神殿内部で特定の聖女が不当な扱いを受けていることに堪えられず、提言したことによって私は退団させられましたので……今となって思えば探られたくなかったのでしょう」

ラキュウスはその発言を聞き、間違いなくゼノの退団という強制解任は、その聖女を気に掛けたことに起因すると考えた。

おそらく庇ったのは廃棄予定の聖女だったのだろう。

奴隷同然に働かされ食事もまともなものを与えられていなかったという。高位の聖女からも不良品と貶められるなど暴言も日常茶飯事だったというのだ。

次は自分の力が消えるかもしれないという恐怖からか、そこには閉鎖的な状況が産む排他的な空気があったはずだ。

「――重要書類の隠し場所となりそうなところは分かります」

確信を持った眼で告げるゼノの様子に、ラキュウスは別動隊という形で押収をレナードに一任させることにしたのだ。

そして神官長だけでなく、襲撃者の目を引き付けるためにもラキュウスは本体を連れ前線に立つ。
そして今まさに聖騎士らとの戦いの口火が着らとしていた。

しかし次の瞬間、神殿内部で爆音が轟いた。

「何事だっ!?」

神官長が振り返る。
神殿からは白い煙が溢れていた。

「やはりこちらに気を取られるほど浅はかではないか」

これはラキュウス達の作戦ではない。
おそらく襲撃者に扮した魔法使いだ……――
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