冤罪で聖印を奪われた令嬢、辺境で本物の大聖女になる ~傲慢令嬢ヒストリアの救済証明~
「――叱られねーの?お前の親父さん土とか嫌いだろ」
エール地区で一番大きい養鶏場にも侯爵家は一応視察に来るのだが、エリザベートの父のガストはいつも道の悪さに靴の汚れを気にしていた。
あぁいう男は特に田舎に来るべきではないとベリルは常々思う。
「父は私をあまり見てないもの。ドレスを着ていれば足元が汚れていても気付かないから良いのよ」
自分の靴は気にするくせに娘の靴は気にならないらしい。
エリザベートは帽子のつばを引いて俯き気味に言う。
潔癖というより自分のことしか見てないのだろうと言葉の端々で伝わってくる歪な父親像に対し、エリザベートはいつも諦めたような顔をする。
そんな姿を放っておけるはずはなく、まだ秘密にしていろとジルから言われていた特別な場所を思い出した。
「んじゃ、いいもん見せてやる。来いよ!」
ベリルは唐突にエリザベートの手を取った。
エリザベートは驚いていたが躊躇したのは一瞬で、ベリルの手を握り返し片手でドレスを抱えて走り出した。
「親父!リュートス!こいつ連れてってくる!」
二人を避けるように目的の場所へ向かって走り出す姿に、当然父は焦った声を上げたが知ったことか。
「どこ行くつもりだっ……!」
「すぐ戻ってくるから!」
エール地区で一番大きい養鶏場にも侯爵家は一応視察に来るのだが、エリザベートの父のガストはいつも道の悪さに靴の汚れを気にしていた。
あぁいう男は特に田舎に来るべきではないとベリルは常々思う。
「父は私をあまり見てないもの。ドレスを着ていれば足元が汚れていても気付かないから良いのよ」
自分の靴は気にするくせに娘の靴は気にならないらしい。
エリザベートは帽子のつばを引いて俯き気味に言う。
潔癖というより自分のことしか見てないのだろうと言葉の端々で伝わってくる歪な父親像に対し、エリザベートはいつも諦めたような顔をする。
そんな姿を放っておけるはずはなく、まだ秘密にしていろとジルから言われていた特別な場所を思い出した。
「んじゃ、いいもん見せてやる。来いよ!」
ベリルは唐突にエリザベートの手を取った。
エリザベートは驚いていたが躊躇したのは一瞬で、ベリルの手を握り返し片手でドレスを抱えて走り出した。
「親父!リュートス!こいつ連れてってくる!」
二人を避けるように目的の場所へ向かって走り出す姿に、当然父は焦った声を上げたが知ったことか。
「どこ行くつもりだっ……!」
「すぐ戻ってくるから!」