ゴシップ記者令嬢なので婚約破棄の真実を暴いたら侯爵令息さまに付きまとわれています。邪魔です。
婚約破棄を取材しよう!
ルーシー・ミルフォードは王立学園の新聞部員だ。しかもけっこう有能な。ルーシーの取材メモと脳裏には様々な事象が書き留められている。
学園内で起こったあらゆる動きには意味がある。
一見すると単なる恋愛沙汰であっても、スルーはできない。何故なら――。
「恋愛は、政治だからよ!」
ルーシーはキリッと言い切って学園内を闊歩していた。何か、いいネタは転がってないだろうか。
この学園に通うのは、一部の富裕層の子女をのぞけば貴族ばかり。
恋も婚約も、その先に政治的意図をはらんだ派閥の形成につながる。ゆえにルーシーはゴシップを探し求めてやまない。
しかしルーシー自身はというと――貧乏男爵令嬢なせいで、浮いた話は一切なかった。ミルフォード家と縁を結んでも相手にメリットがないのだ。
それでけっこう。ルーシーは結婚に興味がない。
「私は、官僚として身を立ててみせるんだから」
キャリア志向のルーシーは不敵に微笑む。
しかしその時、前庭から穏やかでないセリフが聞こえてきた。
「――君との婚約を破棄したい! もう無理だ!」
ルーシーの耳が確かならばその声は、とんでもなく高貴な人のもの――。
「ローランド王子じゃないの? うっわ、取材に行かなきゃ!」
ルーシーはウッキウキで駆け出した。
これはとんでもなく重要な政治情報となるに違いない!
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