ゴシップ記者令嬢なので婚約破棄の真実を暴いたら侯爵令息さまに付きまとわれています。邪魔です。

 学園の前庭には学生たちが集まっていた。彼らが遠巻きにする輪をスルリとくぐり、ルーシーは渦中の人に近づく。

 そこにいたのはローランド王子。そして婚約者の公爵令嬢、キャサリン・アッシュボーンだった。
 でも何故か、ローランドの隣で青ざめる少女もいる。クララ・ブライトという有名人だ。

「どうして聖女候補が?」

 そう。クララは生まれ持った聖力が非常に強くて聖会に見出された身だった。貧しい庶民出身らしいが、基礎的な教養を学ぶため学園に通うことになったそうだ。

 素朴な雰囲気を残しているが、なかなかの美少女であるクララ。
 それと対峙して立ち尽くすのは優雅で気高いキャサリン嬢。

「ローランド殿下とキャサリンさんはうまくいってると思ってたのに」

 ルーシーは小声でつぶやきつつ首をひねった。
 二人が婚約したのは十年も前。もちろん政略による婚約だが、ルーシーの取材によれば互いに支え合う関係を築いていたはずだ。
 ローランド王子は苦々しい視線を婚約者へ向けた。

「キャサリン……君はこのクララ嬢にひどいことをしたらしいな?」
「なんのことでしょう殿下」
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