司くんに愛されすぎてる。
「おはよう、櫛本くん。……私もいるの、気づいてるかしら?」
「もちろん。ごめん、まだ挨拶してなかったっけ。
おはよう」
……ブリザード。
ウフフ、あははと爽やかに笑い合ってるように見えるのに、2人の間に挟まれてるとぞくっと悪寒が走る。
この2人、なぜだか仲悪いんだよね……
顔を合わせるといつもこんな感じ。
ルックスだけなら品のある美男美女でお似合いなのに。
なーんて、いつだったか、そう言ったら声を揃えて「ありえないから」って両断されたっけ。
2人同時に「奏!」と話題をふられて狼狽えていると、廊下からさらなる爆弾が投下された。
「奏っ奏!呼ばれてるよ!」
こちらも2年連続同じクラスになった、梨奈ちゃんが頬を赤らめながら興奮気味に私の席に走ってくる。
和樹と瑠璃の冷戦になんて気付きもせず、バシバシと私の肩を叩いて廊下の方を指差す。
(よかった、ブリザードから一抜けできるっ)
「なんか呼ばれてるみたいだから行ってくるねっ」
これ幸いと椅子から跳ねるように立ち上がって、何か言われる前に教室の入り口まで足速に向かう。
「はい」なんて教室を一歩出た途端。
「かなちゃんっ!」
ドンッとタックル……いや、抱きつかれた。