司くんに愛されすぎてる。
「奏…婚約者、って…?」
和樹もこの発言に怒りを通り越して呆れかえっている。
私も知らない、というようにあっけにとられたまま緩く首を横に振った。
真剣な顔つきをしているのはただ一人、“司”くんだけだ。
「約束したよね?お昼寝の時間に。
かなちゃんが卒園する前の日…」
約束?
お昼寝?
卒園?
わかる気がして、出てこない。
何かがつっかえているようなそんな感覚が、私の中に波の様に迫る。
ふと考え込んでいたために伏せていた視線を上げると。
男の子にしては大きめな色素の薄い茶の瞳とぶつかった。
私はこの瞳を、知ってる…?