司くんに愛されすぎてる。

はぎのくんのわかりやすい感情が、正常な思考をマヒさせる。



もう緩み切った、自分の肩に乗る私の手をはぎのくんがそっと握って胸元に引き寄せる。



眉を寄せた切ない目でじっと私を見つめて、溢れそうな感情を抑えるみたいに息を吸い込んだ。




「じゃあ、好きになってよ。
もう一回、さいしょから」




真剣なその顔は、知らない男の子の顔。


私の手を握りしめる手の温度は高い。

その熱っぽさだけは、ちょっとだけ懐かしい気もして。



ドキンドキンと、胸が勝手に騒ぎ出す。
きゅうっと締まって、ちょっとくるしい。



「……無理だよ、ごめんね!」



ぱっと手を振り解いて、罪悪感が勝つ前に後ろを向く。



はぎのくんは今、どんな顔をしてるかなって気になって足が止まりかけたけど。


振り向いたら負けだと思って走り去る。


あぶない、流されちゃいそうだった。


もう誰もいなくなった廊下を、息を弾ませながら走り抜ける。


これは正しい行動だと思う。
だって、変に期待させるのはかわいそうだもん。


はぎのくんだって、子どもの頃の約束を美化しちゃってただけ。


キッパリ拒否したんだから、きっと諦めてくれるはず。


そう思ってたの。この時はね。







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