司くんに愛されすぎてる。
❤︎
「これより、第◯×回入学式を開式します。
新入生、入場……」
紅白幕がぐるりと囲む体育館。
綺麗に着飾って参列する父兄の間を、整列した新入生達が歩いていく。
その隅っこの末席で、運営係の私達もそれを見守っていた。
“司”くん、つかさくん、ツカサくん……
うーん。やっぱりなにもわからない。
途切れない入場の列をぼうっと眺めながら、頭の中はぐるぐるとさっきの新入生くんでいっぱいになってる。
どこかで会ってた?
いや、でも今まで特に部活もしてないし。
下級生に知り合いなんてできたことがないんだけどな。
「まだあの新入生のこと考えてるの?」
隣に座ってた和樹が、拍手をしながら視線だけを私に向けて面白くなさそうに言った。
「ん、まぁ…誰なんだろって」
「考えなくていいって。呼び方からして小学生の時ちょっとした顔見知りだったとか、その程度でしょ」
らしくない。口調がなんかトゲトゲしてる。
というかいつもなら、和樹の方が慎重にいろいろ考えるのに。
遅刻したの、実はやっぱり怒ってた?
それとも他にいやなことあったとか?
「かず……」
「ねぇっあの子かっこよくない!?」
急に周りが黄色い声でざわつく。
定点カメラみたいだった女子達の目が、誰かを追うように動いている。
そのざわめきにつられて、私も和樹も女子達の視線の先に目を向ける。
そこにいたのは、司くん。