女嫌いな心臓外科医の契約妻になりました
「はい。人と接するのが好きみたいで。ゲカさんこそ、お仕事お医者様でしたよね……? もっとお忙しいんじゃないんですか」
「あー、なんだ君も医者目当て? まぁね。実は今日も朝までオペだったんだ」
ゲカは急に声が大きくなり、疲れた体をほぐす様に首を回した。
医者目当てとはなんだろう。声には驚いたが、それほど大変だったのかと思い話を続けた。
「難しい執刀だったんですね。専攻はどちらですか?」
「外科だよ」
ゲカは得意げに言った。
「ゲカ……あ、もしかして、ニックネームはそこから?」
「当たり」
「何科なんですか?」
「だから外科だってば」
さっき教えたじゃないかと言わんばかりに苦笑される。
心臓血管外科や脳神経外科、整形外科と外科系でも専門は多くある。どの分野か聞こうと思っただけだが、深く聞くのは好ましくなかったみたいだ。たしかに、雪音だって根掘り葉掘り質問されるのは困るから、これ以上は詮索しないことにした。
「そうなんですね」
それにせっかく気分転換に遊びにでているのに、仕事の話ではつまらない。
「で、ではゲカさんは、他にはどんな映画を……」
なんて気が利かないのだと、話を映画に戻そうとするとおもむろにゲカが語りだした。
「昨日のオペもさ、救急搬送されてきた患者の家族がめちゃくちゃ泣いてたんだけど、絶対助けますからって伝えてから手術室はいってさ。患者の出血が多くて心臓止まっちゃったんだけどなんとか助けたんだ。俺じゃなかったら出来なかった手術でさ」
どんどん饒舌になるゲカに違和感を覚える。さっきまでは柔和だったのに、急に偉ぶった雰囲気になった。
命の危険があった患者のことを、こんな風に軽く語るなんて。
ゲカは話しながらぐいと体を寄せてくる。
「すごい技術をお持ちなんですね」
相槌を打ちながらも、冷や汗がでた。やっぱりさっき帰るべきだった。
他にも遠方の患者にどうしてもと頼まれて特別に手術をしたとか、看護師が生意気でなんて話を延々とする。彼の話すことなど耳に入ってこず、どうやったら帰れるのかばかり考えた。
急にゲカの手が伸びてきて、腰に回された。
「きゃあ!」
思わず叫んでしまい、口を押えた。
「や、やめ……」
「きゃあだって。かわいい~。初心なふりして本当は下心あるくせに。ユキネちゃんは医者と付き合いたかったんでしょ? どう? このままホテルにでも――」
「あー、なんだ君も医者目当て? まぁね。実は今日も朝までオペだったんだ」
ゲカは急に声が大きくなり、疲れた体をほぐす様に首を回した。
医者目当てとはなんだろう。声には驚いたが、それほど大変だったのかと思い話を続けた。
「難しい執刀だったんですね。専攻はどちらですか?」
「外科だよ」
ゲカは得意げに言った。
「ゲカ……あ、もしかして、ニックネームはそこから?」
「当たり」
「何科なんですか?」
「だから外科だってば」
さっき教えたじゃないかと言わんばかりに苦笑される。
心臓血管外科や脳神経外科、整形外科と外科系でも専門は多くある。どの分野か聞こうと思っただけだが、深く聞くのは好ましくなかったみたいだ。たしかに、雪音だって根掘り葉掘り質問されるのは困るから、これ以上は詮索しないことにした。
「そうなんですね」
それにせっかく気分転換に遊びにでているのに、仕事の話ではつまらない。
「で、ではゲカさんは、他にはどんな映画を……」
なんて気が利かないのだと、話を映画に戻そうとするとおもむろにゲカが語りだした。
「昨日のオペもさ、救急搬送されてきた患者の家族がめちゃくちゃ泣いてたんだけど、絶対助けますからって伝えてから手術室はいってさ。患者の出血が多くて心臓止まっちゃったんだけどなんとか助けたんだ。俺じゃなかったら出来なかった手術でさ」
どんどん饒舌になるゲカに違和感を覚える。さっきまでは柔和だったのに、急に偉ぶった雰囲気になった。
命の危険があった患者のことを、こんな風に軽く語るなんて。
ゲカは話しながらぐいと体を寄せてくる。
「すごい技術をお持ちなんですね」
相槌を打ちながらも、冷や汗がでた。やっぱりさっき帰るべきだった。
他にも遠方の患者にどうしてもと頼まれて特別に手術をしたとか、看護師が生意気でなんて話を延々とする。彼の話すことなど耳に入ってこず、どうやったら帰れるのかばかり考えた。
急にゲカの手が伸びてきて、腰に回された。
「きゃあ!」
思わず叫んでしまい、口を押えた。
「や、やめ……」
「きゃあだって。かわいい~。初心なふりして本当は下心あるくせに。ユキネちゃんは医者と付き合いたかったんでしょ? どう? このままホテルにでも――」