女嫌いな心臓外科医の契約妻になりました
探るような目付きだ。まだ何か言いたいことがあるのか。
「俺は女が嫌いだ」
匠は徐に話し出す。
一体なんの話だろう。意味がわからず訝しみながらも、とりあえず相槌を打った。
「だから君と俺の条件は合致すると思わないか」
「……はい?」
「俺と付き合わないか」
「――え?」
(――はい? 付き合う?)
付き合うの意味が図れなくて、頭の中が疑問でいっぱいになった。
一体、何を言っているのだろうとぽかんと見返すが、彼の顔は涼しいままだ。
理解が悪いとまた怒られそうで、頭をフル回転させる。
(男女のお付き合い……なわけないよね)
だって、たった今女が嫌いだと聞いたばかりなのだから。
(あ、飲み直したくて、違う店に付き合ってくれという意味かも)
申し訳ないがそれは無理だ。男性とふたりで飲みは行ったことがなくて、ランチでさえ一言も喋れず相手を怒らせてしまった経験がある。
沙友里が居てくれたらなんとか間が持つが、よりにもよって匠との会話を盛り上げることなど、雪音には医師国家試験の方がよっぽど簡単に思える。
「あのっ」
理解し、丁重にお断りしようとしたとき。
「君は今恋人がいなくてフリーなんだろ? だったら俺が立候補する」
またとんでもない発言が投下され、いつも厄介な患者対応時に貼り付ける笑顔を作ったところで固まった。
「なんだその変な顔は」
匠が訝しむ。
「恋人? 恋人って、あれですか? 男女のお付き合いの」
「他にも恋人って言葉が存在するなら教えて貰いたいね」
「あなたとわたしが?」
「くだらない質問ばかりするな。他に誰が?」
匠は呆れて腕を組む。寒いのか、そのまま少し体を丸めた。バーを出てからずっと店の前で立ち話をしているので、冷えて匠の鼻は赤くなっていた。
「あの、せっかくですが遠慮します。深沢先生ほど素敵な人なら、わたしなんかよりよっぽどお似合いの方がいるはずですよ」
とんでもないと断ると、匠は面白がった。
「俺は女に興味はなくて、特に顔と職業だけを見て擦り寄ってくる女が嫌いだ」
「じゃあ、どうしてわたしと……?」
「俺は女が嫌いだ」
匠は徐に話し出す。
一体なんの話だろう。意味がわからず訝しみながらも、とりあえず相槌を打った。
「だから君と俺の条件は合致すると思わないか」
「……はい?」
「俺と付き合わないか」
「――え?」
(――はい? 付き合う?)
付き合うの意味が図れなくて、頭の中が疑問でいっぱいになった。
一体、何を言っているのだろうとぽかんと見返すが、彼の顔は涼しいままだ。
理解が悪いとまた怒られそうで、頭をフル回転させる。
(男女のお付き合い……なわけないよね)
だって、たった今女が嫌いだと聞いたばかりなのだから。
(あ、飲み直したくて、違う店に付き合ってくれという意味かも)
申し訳ないがそれは無理だ。男性とふたりで飲みは行ったことがなくて、ランチでさえ一言も喋れず相手を怒らせてしまった経験がある。
沙友里が居てくれたらなんとか間が持つが、よりにもよって匠との会話を盛り上げることなど、雪音には医師国家試験の方がよっぽど簡単に思える。
「あのっ」
理解し、丁重にお断りしようとしたとき。
「君は今恋人がいなくてフリーなんだろ? だったら俺が立候補する」
またとんでもない発言が投下され、いつも厄介な患者対応時に貼り付ける笑顔を作ったところで固まった。
「なんだその変な顔は」
匠が訝しむ。
「恋人? 恋人って、あれですか? 男女のお付き合いの」
「他にも恋人って言葉が存在するなら教えて貰いたいね」
「あなたとわたしが?」
「くだらない質問ばかりするな。他に誰が?」
匠は呆れて腕を組む。寒いのか、そのまま少し体を丸めた。バーを出てからずっと店の前で立ち話をしているので、冷えて匠の鼻は赤くなっていた。
「あの、せっかくですが遠慮します。深沢先生ほど素敵な人なら、わたしなんかよりよっぽどお似合いの方がいるはずですよ」
とんでもないと断ると、匠は面白がった。
「俺は女に興味はなくて、特に顔と職業だけを見て擦り寄ってくる女が嫌いだ」
「じゃあ、どうしてわたしと……?」