女嫌いな心臓外科医の契約妻になりました
「半年前に院長の娘を紹介されたがまったく興味がなくて困っている。病院や家にしつこく追いかけてくるし、何度も断っているが、諦めてくれずしつこいんだ。このままだと見合いにまで持ち込まれそうで、心に決めた人がいると嘘をついた。そうしたら今度は会わせてくれるまで信じないと言い張って引かない。俺としてはさっさとケリをつけたくてね」
匠が雪音に恋愛感情があるわけないので不思議に思っていたが、なんとなく状況が理解できた気がする。
「君と形だけでも恋人……、いやできれば結婚という状況を作れれば、院長も娘も口を出してこないだろう。ついでに事あるごとに食事や合コンに誘ってくる奴らもいなくなる」
匠もうんざりするほど大変なのだろうが、好意を寄せてくれる女性に対してあんまりないいようだ。
「男嫌いの君と女嫌いの俺なら、互いに干渉せずにいられていい関係を築けると思った」
「そんな……私にはとてもじゃないですけど無理です」
望むのはその場限りの関係ではなくて、笑顔あふれる温かい家庭を築くことだ。周囲だけではなく秀夫も真弓も騙すことになるし、そもそも嘘を突き通す技術もない。
「人助けだと思って」
「そんな難しいことできません。私はちゃんと好きな人を作りたいんです」
匠のことは好きでも嫌いでもないが、そんな対象に考えたこともない。
「俺には興味ないところがいいんだけどな……まあ仕方ない。じゃあ、こうしよう。今度院長に食事に誘われている。そこに恋人のふりをして同行してくれないか」
「え……」
引き攣った顔をすると、匠は面白いものを見つけたような顔をした。
「断るなよ。お礼をしたいと言ったな。今日助けた分の礼はこれで受け取ろう」
「え、む、無理っ」
「断ったら結婚に焦って出会い系で男探しをしていたことを先生に報告する。俺を助けてくれるなら黙っていてやろう」
「何ですかその条件! ずるいですよ!」
雪音が焦るほど匠は楽しそうに笑っていた。
「狡い? 君がお礼をしたいと言ったから、俺は返礼方法の希望を言っただけだーーあ、おい!」
その時、突如匠が距離を詰め雪音の背中を押した。急に触れられびくんと体が跳ねる。
「きゃ……んんっ」
「悲鳴は勘弁してくれ」
口を抑えられ、目を回わしながら手の感触に耐える。
匠が雪音に恋愛感情があるわけないので不思議に思っていたが、なんとなく状況が理解できた気がする。
「君と形だけでも恋人……、いやできれば結婚という状況を作れれば、院長も娘も口を出してこないだろう。ついでに事あるごとに食事や合コンに誘ってくる奴らもいなくなる」
匠もうんざりするほど大変なのだろうが、好意を寄せてくれる女性に対してあんまりないいようだ。
「男嫌いの君と女嫌いの俺なら、互いに干渉せずにいられていい関係を築けると思った」
「そんな……私にはとてもじゃないですけど無理です」
望むのはその場限りの関係ではなくて、笑顔あふれる温かい家庭を築くことだ。周囲だけではなく秀夫も真弓も騙すことになるし、そもそも嘘を突き通す技術もない。
「人助けだと思って」
「そんな難しいことできません。私はちゃんと好きな人を作りたいんです」
匠のことは好きでも嫌いでもないが、そんな対象に考えたこともない。
「俺には興味ないところがいいんだけどな……まあ仕方ない。じゃあ、こうしよう。今度院長に食事に誘われている。そこに恋人のふりをして同行してくれないか」
「え……」
引き攣った顔をすると、匠は面白いものを見つけたような顔をした。
「断るなよ。お礼をしたいと言ったな。今日助けた分の礼はこれで受け取ろう」
「え、む、無理っ」
「断ったら結婚に焦って出会い系で男探しをしていたことを先生に報告する。俺を助けてくれるなら黙っていてやろう」
「何ですかその条件! ずるいですよ!」
雪音が焦るほど匠は楽しそうに笑っていた。
「狡い? 君がお礼をしたいと言ったから、俺は返礼方法の希望を言っただけだーーあ、おい!」
その時、突如匠が距離を詰め雪音の背中を押した。急に触れられびくんと体が跳ねる。
「きゃ……んんっ」
「悲鳴は勘弁してくれ」
口を抑えられ、目を回わしながら手の感触に耐える。