女嫌いな心臓外科医の契約妻になりました
とりあえず荷物をリビングに移動させ、雪音に了承を得て中身を見せてもらった。

「ベビー用品……!」
箱に入ったままの乳児用の服やおもちゃだ。

「叔母さんの娘さんが去年出産した時にプレゼントで貰ったり、買ったりした物らしいんですけど、サイズアウトして結局使わなかったようなんです。無駄になってしまうのも気が引けて、ぜひこれからの人に使って欲しいって……」
雪音は顔を赤くしてモゴモゴとわけを話してくれた。

「まだそういのはって一度お断りしたんですけど……すみません……」
話が盛り上がり、断れきれない雪音の姿がありありと想像できた。

「なんで謝るんだ?」
「だって、その……匠さんのご迷惑にならないかなと」
「どうして。俺は嬉しいよ」
「そうですか?」

親戚が本人たちより勇足なことがあるのはよく聞く話だ。
まだ新婚で、妊娠もしていないのにと驚きはするが、匠としては家族はすぐにでも増えていいと思っているので問題ない。
雪音が望む、『子沢山で温かい家庭』を叶えてやりたい。

匠は雪音を抱きしめ、額を合わせた。

「雪音、約束の褒美についてだが」
「はい。なんでしょう?」

雪音は役に立てるのが嬉しいのか、目を輝かせて匠の言葉を待った。
そんな姿がまた可愛くて、含み笑いをする。

「俺が欲しいのは君だ。俺を信頼して、委ねてくれないか」
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