刹那
下げていた頭を上げると
バッシュの音が響いていて
誰かがフリースローをうっていた。
その人以外誰もいない。
誰だろう?窓から入る太陽の光が
反射して顔がわからない。
「君は今朝のボール拾ってくれた人…」
彼は近づいてくる。
反射していた顔がやっとわかった。
高橋先輩だ!
「あ、バスケ部の体験入部に来ました。」
「き、君バスケやってたの…?」
「はい。あのぉー女子の先輩たち
いないですね。いつ来られますか?」
先輩は何も言わず、あたしをじっと見た。
え?何?あたしなんかおかしいかな?
先輩どうしたんかな?
「あのぉ先輩?!聞いてます?
高橋先輩?」
「あ、ご、ごめん。女子ね、
もうすぐ来るよ。」
先輩はあたしから目をそらしてこたえた。
「てか、俺の名前はなんで知ってるの?」
先輩はさっきの表情とは逆に
優しそうな顔で言った。