ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~
「しっかし、おれさまのアンタがよくグループ組もうって思ったね。
しかも、リーダーは南雲先輩にゆずってさ」

 楓は不思議そうに首をかしげる。
 うん、それはわたしも疑問に思ってた。

「いいだろ、別に……」

 ふいっとそっぽを向くテル。
 なんか、怒らせちゃった?
 それに気づいているのかいないのか、楓は話を続ける。

「環くんは、まさに王子さま~って感じでカッコイイよね。
性格も優しいしさ~。
南雲先輩は……、なんて表現すればいいんだろ。
不思議系イケメンだよね」

 不思議系イケメン。
 確かに。
 南雲先輩、
「マキマキが王子で、テルっちが王さまなら、
ぼくは……、魔女かなぁ。毒リンゴつくった方がいい?」
 なんて言ってたっけ。
 ふふふ、へんなの。

「南雲先輩のそういう不思議なところ、
なんていうか……、カワイイよね」

 そう言うと、テルがちょっと目を見開いた。
 ありゃ、「南雲先輩に対して、失礼だ」ってしかられるかな? 
 でも、事実だしなぁ。

「どうせおれは、かわいげなんてねーよ……」

 もにょもにょと小さな声でつぶやくテル。
 んん? よく聞こえない。
 唇をつきだして、おもしろくなさそうな顔。

「おれ、先行くわ。
美月がダンスの監督すること、南雲先輩と環に伝えたいし」

 ぽつりと言うと、テルは小走りになる。
 えっ、そんなの、スマホで伝えればいいのに。
 そう思ったけど、テルはもう先へ行ってしまった。
 いったい、どうしたんだろ……。

「ありゃ~、こじらせてるねぇ」

 楓はなんかうんうんうなずいてるし。

「こじらせてるって、何を?」
「青春だねってことよ」

 全然わかんない。
 そうわたしの顔に出てたのか、楓はふふっと笑った。

「ん~……。まあ、テルにとって、南雲先輩は高い壁ってことかな。
初めてぶちあたった壁よ」

 壁、かあ……。
 そっか、楓は知らないんだ。
 実は、テルが初めて壁にあたったのは、もっと前なんだよ。

 そういえば、あの時も「ダイアモンド」の話になったなぁ。
 テルはあの約束のこと、覚えてるかな? 
 ふふ、覚えてたら、いいな。

 わたしは、約束のサポートをしたい。
 そのためにも……、今日のダンスの監督、がんばろう!
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