ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~

2.みんな、おかしくなっちゃった!?

 授業を終えて、放課後。
 明日、新入生歓迎会がおこなわれる大ホールでは、
 テーブルやイスを準備したり、飾りつけをしたりする生徒たちでにぎやかだ。

 約束通り、わたしはスウィートウェザーのダンスの監督中。
 いつもは流している肩まである髪をポニーテールにして、気合満タン!
 でも、ちょっと困ってるんだよね……。

「あ、ストップ。
その……、また、環くんの動きが違う」

 うう、これで何回目だろう。指摘しづらい。

「環! またか!」

 テルが環くんをキッとにらみつける。
 環くんは「ごめん」と、申し訳なさそうに謝った。
 サラサラの紅茶色の髪に、大きな瞳。
 整った顔立ちの、まさに「王子さま」な環くんがしょんぼりしてると、
 こっちまでしょぼーんってなっちゃうよ!

「美月さんも、何度もごめんね」
「いやいや、わたしは大丈夫!」

 謝る環くんに、ぶんぶんと手を振ってみせる。

「ほら、環くん。
笑って、笑って。
いつものイケメンスマイル、わたし、見たいな~」

 わたしはおどけて、両手の人差し指で、ぐっと唇の端をもち上げてみせる。
 ニッコリ笑顔だ。
 環くんはちょっと笑ってくれた。

「ステキな笑顔を、ありがとう。美月さん」

 よしよし、少しは緊張がほぐれたかな?
 って、なんか、テルの視線がものすご~く刺さってくるんだけど……。
 ぶすっとした、おもしろくなさそうな顔。

「……ちっ。無防備に笑顔、ふりまいてるんじゃねーよ」

 ん? なんかつぶやいてる?

「まあまあ~。
テルっち、落ち着いて。
あんまり怒ると悪魔のツノが出ちゃうよ」

「いや、出ませんから!」

 南雲先輩がテルをなだめ(?)、テルがツッコミを入れる。
 南雲先輩は、ふんわりとしたやわらかそうな髪。
 目は優しいたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。
 なんていうか、中三にして色っぽさがスゴイ人だ。
 
 ちなみにテルは黒髪のツンツン頭に、ちょっとキツイ目つきをしている。
 三人とも違う魅力をもった、イケメンたち。

 女子たちはその三人を、準備しつつもちらちらと見ている。
 その子たちも、
 間違えてばかりの環くんにイラついているテルの雰囲気に、
 ちょっとおびえているみたいだった。

「ん~……。よし、休憩~」

 パンッと南雲先輩が手をたたいた。

「は? この状態でですか? 
環の調整が間に合わなかったら……。
明日、大失敗ですよ」

 ……テル、すごくピリついてる。
 なんだろう。いつもはもっと、なんていうか……。
 もっと余裕があるのに。
 おれさまなんだけど、こんな言い方はしないよ。
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