ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~
 さっきから気になってたけど、テルの瞳、すごくギラついてる。
 まるで……、朝見た、あのネクタイピンのダイアモンドみたいに。
 なんだかぞくっとして、わたしは思わず両手で体をさすった。

「こんな状態だから、だよ~。
この真白神さまが、きみたちに特別にジュースをおごってあげる。
だから、元気出して」
「先輩、いつ神さまになったんすか」
「なう」
「はあ……」

 そんなやりとりをしている南雲先輩とテルだけど、
 環くんはそれにくわわることなく、だまって下を向いている。
 どうしたんだろう、環くん。
 いつものほんわか笑顔と、ダンスのキレがないよ。

「……マキマキ、何かあった?」

 わたしの心の中を読み取ったかのように、
 かわりに南雲先輩が環くんに声をかけた。

「その……」

 環くんの瞳が揺れ、迷いながらも何かを言おうとした、その時。

「何があっても、やりとげるのがプロだろ」

 キツイ言葉を放つテル。
 その圧に押されてか、環くんは口をきゅ、と閉じてしまった。

「いえ、なんでもありません」

 言葉をのみこんで、代わりに笑顔をつくってみせる。
 ……なんだか、痛々しい。

「ほんとに? マキマキ、無理したら、めっだよ」
「はい。
迷惑かけて、すみません。切り替えます」
「……。
じゃあ、ぼくはジュース買ってくるから。
ふたりは休んでて」

 南雲先輩は、ステージから降りて、大ホールから出ていった。
 それを見届けて、テルが環くんにつめよる。

「おい、オマエ、やる気あるのか?」
「……ごめん」
「はっ、謝るだけならだれでもできんだよ」
「……そうだね」

 ますます沈んだ顔になる環くんに、テルはいらだちをあらわにする。

「ほら、ここから踊ってみろよ」

 テルはスマホで音楽を流すが、
「……休んでてって、言われたじゃないか」と環くんは動かない。
 むっとするテル。

「おれじゃなくて、南雲先輩にしたがうのか?」
「……ぼくらのリーダーだからね」
「南雲先輩は甘すぎる。
おれだったら、
『失敗を取り戻すために、休憩なんてしないで練習しろ』って言うけどな!」
「……!」

 ショックを受けた環くんの顔。
 嫌な空気。
 周りの生徒たちも、なんだ、なんだとステージに注目する。
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