あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~
「その〝先輩〟っていう呼び方……懐かしくはあるんだけど、ずっとそう呼ぶ気?」
「え、ダメですか?」
「瀬良でいいよ。俺も凛音って呼ぶ」

「はい」と返事をしたけれど、なんだか恥ずかしくて胸の中がムズムズする。
 呼び方を変えるだけで、一気に距離が縮まったような気がして恐縮してしまう。

「料理はコースを予約しておいたんだ」

 料理長が提供する完全予約制のおまかせコースというのがあるらしい。それを事前に頼んでおいてくれたので、このまま座っているだけで料理が運ばれてくるとのことだ。

「ありがとうございます」
「ワインを飲もうか。凛音はアルコール、大丈夫?」

 平静を装ってうなずいたものの、今のでドキンと大きく心臓が鼓動した。
 彼から〝凛音〟と名前で呼ばれる日が来るなんて、予想だにしなかったな。

「せ、……瀬良さん」
「ん?」
「いや、あの……慣れるために、声に出してみました」
「うわ、かわいい」
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