世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 普段話していないのに、彼らしい返事がわかるのかと言われると怪しいけれど。

 蓮司さんは得体の知れないものを見る目で私を見ると、ややあってからふっと鼻を鳴らした。

「妻の務めを果たす気がないのならそう言ってくれ。君にとって望んだ結婚でないのは承知しているが、馬鹿げた嘘を信じると思われるのは癪だ」

 妻の務め、と彼の言葉をそのまま咀嚼する。

 それはつまりそういうことなのだろうけれど、蓮司さんの口から飛び出す言葉だとは思えなかった。

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