世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 むしろ私にそうした役目を求めていないのは彼のほうかと思っていた。

 でもよく考えたら、妻ができたために彼にはそうした欲を発散する先がない。

「私は……あなたがそういうことを望んでいないものかと……」

 私も望んでいない。両親は後継ぎを作れと言っていたけれど、いつか離婚するだろう相手との子どもを作るのは抵抗がある。子どもは親の道具ではないと、両親に対するささやかな反抗の気持ちもあった。

「もし望んでいると言ったら、応えるのか?」

「……努力はします」

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