世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 両親はいずれ私を名家に嫁がせるつもりで育ててきた。だから恋愛経験は一切ない。いいなと思う相手がいても、きっと迷惑をかけることになるからと諦めてきた。

 だからどう見ても経験豊富そうな彼を相手に、ちゃんと応えられるか自信がない。それでも妻になったからには努力すべきだと思った。

「殊勝なことだな。買われた女としての覚悟はあるようだ」

 そのひと言から皮肉と侮蔑を感じ取れないほど鈍くはなかった。

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