世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「ひとつ質問してもいいですか?」

 蓮司さんは訝しげに目を細めたけれど、是とも否とも言わなかった。

 声が震えないように、怖さを忘れられるように、きっと今すべきではない質問を投げかける。

「身長を教えてください」

「……百九十二」

「大きいんです、ね」

 そのくらいはあるだろうと予想していたから驚きはなかった。

 ただ、この先を迎えるまでに一秒でも多く心の準備をする時間が欲しかっただけだ。

 ひとつだと言ったからか、これ以上の質問がないと判断したらしい蓮司さんに肩を掴まれる。

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