世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 そうくるとは思わなくて、思いきりびくりと身体が跳ねた。

「ふ、服」

 情けない声が喉の奥からこぼれ出る。

「服を、脱がないと……」

 ここまできてまだ私は悪あがきをしている。これは馬鹿にされても仕方がない。

 でも、怖い。ベッドの上だと、いつもよりも蓮司さんが大きく見える。

 電気がついていなくてよかった。目の前が潤んで滲むほど泣きそうになっている顔を見られずに済む。

 肩を掴んでいないほうの蓮司さんの手がそろりと動こうとした。

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