世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 また飛び上がりそうになり、そのはずみに目尻に溜まっていた涙が落ちる。

 彼に見られていないことを願いながら咄嗟に下を向き、短い呼吸で必死に気持ちを整えながら、品のいいシャツに手をかけた。

「君が脱がすのか」

 どういう意図での質問だったのか、そんな問いをぶつけられる。

 でも私には答える余裕がなかった。

 微かに震える指先で、一番裾に近いボタンを外そうとする。

「あ、あれ」

 ボタンがついている位置がおかしい。

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