世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 普段、私のシャツは左側にボタンがついていて、ボタンホールが右側だ。だけど蓮司さんは逆になっていて、外し方に戸惑う。

 そういえば男性は逆なんだったか。

 おぼろげな知識がよみがえるも、混乱と焦りのせいで余計にうまくやれなくて手が震える。

「待ってくださいね、すぐ――」

「もういい」

「あっ」

 ぱっと手を振り払われ、はっきりと拒まれた。

 自分の失敗を理解すると同時に、音を立てて血の気が引く。

「ごめんなさい! ちゃんとやれます……!」

「触るな」

< 119 / 489 >

この作品をシェア

pagetop