世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 でもどうして? こんなところにいるはずがない。じゃあ疲れて幻覚でも見えているのだろうか?

 そう思っていたら、後ろからトントンと肩を叩かれた。

 振り返ると、ふにゃっと笑った彩香と目が合う。

「おつー。聞いてよ、今日発注ミスが発覚してさあ」

 一瞬感じた緊張がふっと抜けていった。

 きっとさっきのは見間違いだったに違いないと――そう思うのになるべくそちらのほうを見ないようにしながら、彩香に笑いかける。

「この間もなかった?」

< 124 / 489 >

この作品をシェア

pagetop