世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「だって犯人同じだもん。ちゃんとチェックしてくださいねって言ってるのに……。新人ならまだしも、私より年上だから注意もしづらいんだよね」

「苦労してるねえ……」

 家では口を開かない分、彩香との会話を楽しむ。

 だけど会社の敷地を出るための門を通ると、不意に彩香が立ち止まった。

「ね、あの人……芸能人かな?」

 背筋が冷えるのを感じながら、心なしか声が弾んでいる彩香の示すほうを向く。

 暗がりに溶け込むようなモノトーンの衣服に身を包んだ彼は、どこからどう見ても私の夫だった。

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