世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 人目が鬱陶しいという彼の言葉で、たしかに見られるのは気まずいと思ったからだった。



 半ば強引に蓮司さんの車へ連れ込まれ、行き先もわからないまま向かった先は、海辺に近い公園だった。

 海沿いの遊歩道に出ると、潮の香りが頬を撫でる。

 ゆるやかな湾曲を描く岸辺には、白い手すりが等間隔に並んでいた。その向こう側にある穏やかな水面が、街の光を照らし出している。

「わ……」

 今のわけがわからない状況を忘れるほど、美しい夜景が広がっていた。

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