世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 ほかにも景色を楽しんでいる人がいるからか、その場にいる人影の数は多い。それでいてひっそりと静かなのが逆に素晴らしかった。

 私たちも含むひとつひとつの影さえ、一枚の絵画に収められているようで。

「ちゃんと楽しみとして夜景を見たのは初めてです。街の明かりなら、オフィスからいつも見ているんですけど」

 さすがになにか話すべきだろうと口を開いたのに、返事がない。

 ただ、視線を感じた。

「……どうして急に夜遊びなんて?」

 声に警戒心が滲む。蓮司さんの考えがあまりにもわからなかった。

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