世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 なぜ俺の判断を仰ぐくせに、指示を聞けないのか不思議でならない。今日に限らず、休日に仕事を進めようとするのもいい加減にしてほしかった。

 電話を切ってすぐ、マンションのエントランスから彼女がやってくるのが見えた。

 政界にまで縁があるという九条家のひとり娘。いわゆる成り上がりの俺にとって欲しい伝手を持つ、金の卵を産む鶏だ。

 顔も知らなかった相手をそうやって値踏みすることに、いちいち罪悪感を覚えるほど殊勝でもない。

 九条夫妻とは、彼女より先に会っている。

< 155 / 489 >

この作品をシェア

pagetop