世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 そうして辿り着いた我が家は、懐かしさや郷愁の気持ちよりも、鬱屈とした重苦しい感情を呼び起こさせた。

 家というよりも、牢獄に帰ってきたかのような。そしてその認識は間違っていない。

 視界がじわじわ黒く塗りつぶされていくような錯覚に陥りながら、蓮司さんを連れて家に入った。

 我が家はそれなりに広い。この辺りは土地が広いこと、そして過去の栄光が家の格を高めているように思う。

 平屋の一軒家を訪れる人は、今はほとんどいない。

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