世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 既に亡くなった祖父母が生きていた頃は、よく国の重鎮や著名人が足を運んだと聞いている。それも大正時代や、昭和初期の話になるため、ずいぶん昔の話にはなるけれど。

 客間に行くと、既に両親の姿があった。

 私が改めて紹介する前に、蓮司さんが口を開く。

「ご無沙汰しています。顔を合わせるのは何カ月振りでしたでしょうか」

 この威圧的な人も敬語を使えるのかと、失礼な感想が頭をよぎった。

「さてね、私も忙しいものだから」

 それに対する父の態度もなかなかだ。

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