世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 なにがそんなに忙しいというのだろう。娘を冷徹な男のもとへ売らねばならないほど事業が低迷しているにもかかわらず、改善のための行動をなにひとつ起こそうとしていないのに。

 我が父ながら恥ずかしい。日に日に勢いを増して名を響かせていく蓮司さんには下に見られたくないという気持ちが見え隠れしているからだ。

 そんなプライド、実が伴っていなければ空虚に映るだけである。

「それで、紗代。結婚生活はどうなの。跡継ぎは? 順調?」

 横から母が口を挟む。

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